今回は中休み的な?(9/28医薬品医療機器制度部会レポート)

2018/09/29

9月28日、厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会が開催れたので傍聴してきた。
この部会は開催される曜日に規則性がないため、これまで全く膨張できずにいたが、今回は運が良かった。

当日の議題は大きく2つ。
1.「改正法の施行後5年を目途とした検討」の検討内容及び検討スケジュールについて
2.その他(医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン)

4月にゴングが鳴り激論を繰り広げてきた第1ラウンドが終わり、12月のとりまとめへ向けて10月から第2ラウンドがスタートする。今回の部会は、第2ラウンドで“更に”議論を深めるべき内容とその検討スケジュールのすり合わせがメインとなった。そのため、私が期待していた激論という雰囲気は少なかった上、予定時間よりも30分早く終了した。

あっさりしていたと言えば、あっさりしていたかもしれない。

しかし、薬局関係者に関して言えば、「なんだあっさりしてたのね」と楽観視できる状況では全くないと認識しなければならない。

各委員の発言や部会全体のまとめについては、下記のような業界紙にそれを譲るとして、私は各委員の発言をブレンドして好き勝手に書かせていただく。

●「薬局の機能」、法的な位置付けは可能か、医薬品医療機器制度部会 年末の取りまとめに向け、薬機法改正を超えた議論も レポート 2018年9月28日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長) https://www.m3.com/news/iryoishin/632128

今回のブログは、部会で出た意見について、それらが出された背景となるであろう事柄を加えつつ、一連の流れになるように個人的にまとめたものである。昨日以降の業界紙と合わせて一読いただければと思う。

この部会の面白いところは、各委員の発言をブレンドしても全く支障がないといことだ。なぜなら、メーカーや卸の委員を除いて、基本的には薬剤師委員対その他全委員という構図になっているからだ。

医薬分業は社会的要請や患者からのニーズがあって進んできたものではない。医師に対する診療報酬上のインセンティブにより拡大してきた。分業が拡大する過程において、開局しさえすれば、ある程度の処方箋の応需が見込め商売が成り立った。そのため、薬剤師は計数調剤等を主とした業務を優先してこなすことに専念し、対人業務を軽視してきたことは否めない事実だろう。増え続ける調剤医療費を背景に、某大手企業社長の高額所得や病院前に乱立する薬局が問題視されたことが引き金となり、薬局の存在意義が問われ始めた。その後、2015年に「患者のための薬局ビジョン」によって、地域包括ケアシステムの中で求められる薬局像が機能別に示された。

しかし、機能別に薬局像が明示されたといっても、処方箋を受け取った患者は何も分からずに薬局へ行く。訪れた薬局がたまたま健康サポート薬局であれば、それに準じたサービスを受けられるが、ただの薬局に行った場合はそれなりで終わってしまう。患者に選択肢はあるが、現状では薬局の機能を外見上知る得ることが難しく、高機能の薬局もただの薬局も一緒くたになってしまっている。したがって、薬局の機能を分けて、明示する必要がある。

個人的には、薬局機能情報提供制度によって薬局の機能はある程度把握できると思うが、どうやらパット見が問題のようだ。健康サポート薬局では一応その旨を表す掲示をしているが、認知度が低い現状では薬局を選択する指標として機能していない。

認知度が低い理由の一つに、普及が進んでいないということがある。

薬剤師会によると研修修了薬剤師は10000人ほどいるらしいが、健康サポート薬局の届出は1000件弱にとどまっている。研修修了薬剤師が常にいなければならないため、1軒の健康サポート薬局につき最低2人、できれば3〜4人いなければ届出は難しいのだろうが、それにしても1000件弱とは少なすぎる。ここまで進まないと、経済的インセンティブがないことが原因ではないかと勘ぐられてもしょうがない。健康サポート薬局で求められる要件には非常に重要な機能が盛り込まれており、本来であれば薬局自身のステータスを向上させるため、自主的に取り組んで拡大すべきものである。そして結果として、社会的認知度が上がり、患者がニーズに応じて選択する際の指標となる。

また、こういった付加価値として薬局が取り組むこと以外に、投薬後の継続的な服薬状況の把握や指導等の基本的な対人業務に関して、やっているところとそうでないところがあるということが問題視されている。やはり、基本的業務と考えられるものは、薬機法に明記することも検討すべきではないか。



今回の部会を傍聴して、薬局は分業後最大の転換点にあると感じた。

部会で挙げられた諸問題が、すべて薬機法で制度化されるものではない。しかし、時間とエネルギーを掛けて抽出された指摘事項は、なんからの形で成果物として欲しいという強い要望が委員か出ていた。

タイムオーバーでうやむやにはなりそうにない。

第2ラウンドは10月に1回、11月に2回の部会を経て、12月を目処にとりまとめが行われることになっている。次回の第7回制度部会では、薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方、迅速なアクセス・安全対策の充実等が取り上げられる。引き続き、動向を注目していきたい。

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