自前だけが正解でない
2018/08/08
8月4日の日経新聞朝刊に「後発薬 コスト削減」というタイトルの記事があった。
4月の薬価制度改革が響き外部への製造委託を拡大する企業があるとの内容だ。
記事によると沢井製薬は、操業50年になる大阪市の工場を閉鎖し、外部委託により需要変動に備えるらしい。医療機関の反応が気になる。
日本人特有かどうか分からないが、殊に物作りにおいては自前主義が評価される傾向にある。
店内調理、自社工場製造、自家栽培など、自前主義をアピールする表現が店頭に目立つ。
これは、ジェネリック医薬品業界にも当てはまる。原薬から製造にいたるまで、自社製造をアピールする企業がある。添加物は自社製造しなくてもいいのか甚だ疑問だが、この点については問題視する声が不思議とない。
沢井製薬も自社製造(製剤)を強みにしている企業だと思う。その会社が外部委託を拡大するとは、ジェネリック医薬品業界は相当厳しいらしい。
とあるセミナーの講師が仰っていた。
「何が正解かわからない」
無責任であるようで、とてつもなく重みのある言葉だ。
自社製品、ファブレス、製造特化、販売特化。日本の医療のみならず製薬ビジネスにとっても今後の動向が気になる分野だ。