まだまだオイシイ長期収載品

2018/08/15


長期収載品は「現時点で他社に売却することは考えていない。キャッシュを稼げる品目なので」とおっしゃったとのことだ。

当該企業の薬価担当部署は頭を抱えたのではなかろうか。

大日本住友では長期収載品はまだまだ利益の源泉になっているようだ。

新薬開発に投じる資金確保のためにキャッシュの源泉は必要であるが、長期収載品を抱えることはケジメの悪さにもつながるのではないだろうか。

それはさておき、長期収載品の取扱い方針は企業によって様々だ。

武田薬品、エーザイはグループ会社へ移管している。これによって、新薬事業と長期品事業の売上、販管費、利益を区別し、それぞれの採算性を計ることができる。しかし、本体からは切り離しているものの、グループ内の売上、利益として計上されるため、本質的には大日本住友の方針とは大きな差異はないビジネスモデルだ。

アステラス、第一三共は、他企業への移管という手段をとっている。長期収載品による売上、利益から決別することで、新薬へヒト・モノ・カネ・情報を集中投資することができる。

しかし、アステラス、第一三共の移管品リストを見ると、その品目選定には絶妙な経営判断が働いていることがわかる。

アステラスは、プログラフ、ファンガードについては、自社販売を継続している。おそらく、GEへの切替がまだ進んでおらず、重要な利益源となっているのだろう。

第一三共は、メバロチン、エースコール、カルブロック等の、三共黄金時代を築いた循環器製品はアルフレッサファーマへの移管品リストに載っていない。また、クラビット、オルメテックのAG販売品も当然対商品にはなっていない。

移管対象品はどういった基準で決まっているのだろう?これを妄想するのも一興だ。

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