Zin
2018/07/17
本日の日経新聞朝刊に「病院と診療所連携 メディカルローグ データベース提供」というタイトルの記事があった。
記事によると、医療情報システム開発を手掛けるメディカルローグ社が、順天堂大学医学部付属順天堂医院などの協力を得て、紹介・連携先の医療機関のデータベースを構築するとのこと。
さらには、データベースにとどまらず、相互に患者の紹介ができるコミュニケーション機能も付加されるようだ。システム名称はZin(ジン)。
東京にある大学病院、大病院には全国から患者が集まる。通常の外来であれば問題にならないが、入院の場合は退院後の転院、通院先探しが一苦労らしい。
東京にある病院の入退院支援担当者が、地方のどこにどんな医師がいるかは把握できるわけがない。
まさに、新人の営業マンが電話帳片手に片っ端からアポイントの申し込みをするが如くの対応に追われているのではなかろうか。
快く患者の紹介を受け入れてくれればいいが、中には冷たい対応の医療機関もあることだろう。
そういった医療機関にチェックを入れる機能もあると重宝するかもしれない。
ところで、日経新聞の記事では大病院と開業医の連携のみがフォーカスされているが、大病院と回復期・療養病床を持つ病院との連携も可能なのだろうか?
前述したとおり、紹介先は定期受診をフォローする開業医のみならず、回復期や慢性期をケアする病院にも及ぶはず。医療記事に不慣れな日経新聞記者の単純ミスだろうか。
もう一つ浮かぶ疑問が、元のデータベースはどこから引っ張ってきているかだ。
厚生局に届出されている情報のみでスタートするとしたら、効果的に運用できる状態に持っていくまではかなり時間を要すると思われる。
もう一つの可能性は、各都道府県が整備している医療機能情報提供システムだ。こちらは、診療実績などの情報もあるため、紹介するにあたっての情報が比較的豊富だ。
しかし、都道府県によって掲載フォーマットが大きく異なっているため、どうやって情報を吸い取るかに興味がある。情報開示請求をすればいただけるのだろうか。
そしくは、すでにどこかの業者がデータベースをまとめているのだろうか。気になるところだ。
後者であれば、医療機能情報提供システムへの情報掲載とアップデートは、非常に重要な作業となる。多くの患者が最初にアプローチするサイトになりうるからだ。
自院のホームページメンテナンスよりも重要かもしれない。
今後の展開に注目だ。ちなみに、Zinの由来はなんだろう?これも気になる。