スギのシーズン
2018/07/12
スギ薬局の動きがおもしろい。今年はスギのシーズンかもしれない。
3月にはメドピアとの業務資本提携を発表し、今月はライドシェアサービスに参入のニュースがあった。
明らかに他のDgSチェーンとは異なる動きをしている気がする。
最近のスギは自前出店がメインのため、他の企業よりは企業規模の拡大スピードが緩やかだ。
全国制覇も経営陣の頭にはなさそうだ。
調剤売上比率はDgS上位10社の中では突出しており、背景には居宅療養管理指導、訪問看護への取組みがあると考えている。
現在の住いへの転居前、頻繁に利用していたDgSはスギ薬局だった。
スギポイントによる景品交換は個人的に大変重宝した。
子供用のバリカン、アンパンマンの椅子、補助便座はスギポイントで交換してもらった。
大人向けの景品になると、日ごろ利用するものが選択肢になかったり、好みと違ったりで、もらってうれしいものが少ない。
しかし、子供用となると話は別だ。
活用期間が限定的であるうえ、うちの場合は同時に2つ必要だった。
買ってもそんなに高いものではないが、それでも助かった。
スギ薬局にはお世話になった。
さて、話を元に戻そう。
スギグループの沿革を見るとなかなかおもしろい。
スギ薬局の特徴である在宅、訪問看護事業はかなり早期より取組みを始めている。
在宅については、2003年にクリーンルームを設置し、中心静脈、抹消静脈、経腸栄養に対応できる体制を整えている。
そして、2008年には大阪府阿倍野区で訪問看護ステーションを開設している。
ドラッグはもちろんだが、調剤専業の企業と比べても、取組開始が早いことがわかる。
一方で、小売事業強化については、2007年にディスカウントストアであるジャパンを完全子会社化しており、その後の食品や雑貨仕入に寄与してるものと思われる。
スギグループのホームページを見ると、ジャパンは「ビッグコンビニエンスディスカウントドラッグ」という事業形態に位置付けられている。
あまりにもいろいろな要素が盛り込まれ過ぎていて何が何だかよくわからない。
以前住んでいた家の近くにはジャパンもあったのだが、あの怪しげなおじさんの看板に抵抗感があり、一度も利用したことがない。
その後大きなM&Aがなかったスギだが、今年は大きく舵を切っているという印象がある。
それが、3月にはメドピアとの業務資本提携とライドシェアサービス参入だ。
メドピアは、遠隔地の医師がスマートフォンで健康について相談するサービスや、栄養士が食事指導するサービスなどを提供している企業。
いずれはオンライン服薬指導に通ずるノウハウ吸収のためという印象もあるが、地域包括ケアシステムのキープレイヤーへと向かうスギの思惑がうかがい知れる動きだ。
ライドシェアについては、過疎地の高齢者を対象として実証実験を始めるとのこと。こちらも、地域に根差した活動に注力する当社の姿勢の現れだろうか。
スギも大手DgSであることに間違いないが、事業展開はその他上位企業のそれとは明らかに異質だ。
目が離せない企業だ。