どうなるBS

2018/06/20

骨太の方針の医薬品等に係る改革等に、今回もバイオシミラーに関する記述がある。
「バイオ医薬品の研究開発の推進を図るとともに、バイオシミラーについては、「経済財政運営と改革の基本方針2017」を踏まえ、有効性・安全性等への理解を得ながら研究開発・普及を推進するなど医薬品産業の国際競争力強化に向けた取組を着実に推進する。」とある。

国策としてバイオ医薬品、バイオシミラーを押していくという意思が感じられる。

以前のブログにも書いたが、ジェネリック医薬品の使命は単なる医療費削減ではない。ジェネリック医薬品の使用促進は、薬価制度改革とあいまって、日本の製薬産業にパラダイムシフトを引き起こした。
長期収載品とジェネリック、ジェネリックとジェネリックのシェア争いとともに、各製薬企業は低分子医薬品の品質改良、剤型改良、製造効率アップに取り組んできた。

次はバイオシミラーの出番だ。

日本国内でバイオ医薬品の開発から製造まで手掛けているメーカーはほとんどない。このことは製造工場がほとんどないということを意味する。
バイオシミラーについてはすべて海外のメーカーによるもので、日本はこの分野で完全に遅れをとっていると言わざるを得ない。

骨太方針2018が閣議決定される1週間ほど前、厚生労働省は厚生科学審議会の疾病対策部会・リウマチ等対策委員会にてリウマチ対策見直しに向けた骨子案を示した。
もちろん、バイオ製剤の適正使用等に関する記述も含まれており、今後の診療ガイドライン改訂にも影響のある重要な位置づけのものだ。

しかし、この骨子案では、その活用については議論が深まっていないとの理由で、バイオシミラーの記載は見送られたとのこと(6/8日刊薬業参考)。

一体どういうことなのだろうか?

もちろん、医薬品産業のために患者が犠牲になることは許されるものではない。しかし、バイオシミラーは臨床試験を経て承認された医薬品であり、日本の医薬品産業の発展にも関わる重要事項として、厚生労働省はもっと積極的に活用を推進する施策を打つべきではなかろうか。

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