かかりつけ薬剤師・薬局を考える②

2018年5月1日

2015年に厚生労働省が公開した「患者のための薬局ビジョン」に非常に気になる表現がある。


赤の点線枠で囲んだところを見て欲しい。

2025年まで、すべての薬局を「かかりつけ薬局」へ

とある。ということは、かかりつけ薬局以外の薬局は存在しないということになる。
かかりつけ薬局以外といっても、健康サポート機能、高度薬学管理機能を持つ薬局は残るということが図より分かる。


患者のための薬局ビジョンに秘められる厚生労働省のメッセージを図にしてみた。

健康サポート機能を持つ薬局は日常生活圏に最低1軒とされており、概ね15000軒くらいではなかろうか。

かかりつけ薬局と健康サポート薬局は重複するため、この図は厳密に言うと誤りである。あくまでも厚生労働省のメッセージをわかりやすいイメージにしただけであるので、その点はご容赦いただけるとありがたい。

さらに、厚生労働省のメッセージを深読みすると、グレーの部分のその他の薬局は0軒ということになる。つまり、不要ということ。2020年改定ではこの点を盛り込んだ厳しい改定になることだろう。

さて、ここで疑問なのが、「かかりつけ薬局」とは一体何か?ということである。

かかりつけ薬剤師指導料の施設基準を届出ている薬局であろうか。

それとも、地域支援体制加算(旧:基準調剤加算)のように、かかりつけ薬局たるべき施設基準を届出ている薬局のことだろうか。私見ではあるが、地域支援体制加算(旧:基準調剤加算)は、健康サポート薬局の施設基準にジリジリと近づいており、2022年改定ぐらいで「健康サポート体制加算」になるのではないかと考えている。

厚生労働省の図のオレンジ枠の施設基準から判断するに、地域支援体制加算等の施設基準をクリアしている薬局であろうと解釈するのが自然である。




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