羽田空港からの帰り道
2018/09/14
遠方出張からの帰路はいつも暗闇でモノレールからの景色を楽しむことはない。しかし、つい先日、まだ外が明るい時間帯に羽田空港に到着し、なんの気なしにモノレールに揺られながら外を眺めていると、とてつもなく大きな建物が目に飛び込んできた。
そう、7月に竣工したばかりの、日本自動車ターミナルによる高機能型物流施設「ダイナベース」だ。同社最大となるこの物流拠点の延床面積は約9万7000㎡。その半分以上のスペースを借り上げたのが東邦ホールディングスだ。
東邦ホールディングスの事業にはいつも驚かされる。同社のドンである濱田会長の思考回路はいったいどうなっているのだろう。
東邦ホールディングスの最近事業で個人的に最も衝撃だったのは、いわゆる“販社”と呼ばれるジェネリック医薬品をメインで取扱う卸のM&Aだ。
通常の医薬品卸にとって、販社は現金問屋と同様に厄介な存在のはず。相容れない間柄のはずが、東邦はいとも簡単に、しかも複数の販社を子会社化してしまった。
共創未来ファーマ創設、東和薬品との取引開始、販社の子会社化。ここ数年、東邦ホールディングスでは、ジェネリックの販売戦略において他卸と一線を画してきた。
ひとつのメリットとしては、ジェネリックの原価把握、ローコストオペレーションのスキーム確立の叩き台を得ることができたことではないだろうか。
ジェネリック医薬品の流通は、医薬品卸にとって頭痛の種だ。全く取扱わないという手段もあるが、日本の薬価制度の下では大胆な取捨選択がしづらい。
東邦ホールディングスは、先手を打っている企業だと思う。得意先やメーカーのスキームの乗らざるを得なくなる前に動いている。
傍観ばかりしていられないが、おもしろい企業だ。